【エレベーターへのこだわり】 質問にお答えして(2) 

Q:エレベーター、エスカレーターが好きで、その前から動かなかったり、乗りたがったりします。でも、乗れない時もある。そんな時、「階段で行くよ。」と言うのですが、「エレベーター乗る?」「エスカレーター乗る?」と言ってそこから動こうとしません。
なんとかひっぺがしたら、泣く・・・。どうしたらいいんでしょう?

A:ダダもTASのお子さんもエレベーターやエスカレーターが大好きです。ですから、TASの託児の時は、会場が貸切の場合、エレベーターははじめから布で被い隠してしまいます。それは、一応公共の場所ですので、子どもが遊びで使うことを防ぐためと、お子さん、ボランティアさん双方に、よけいな混乱を避けるためです。

 けれどもいつもいつも、場は貸切というわけではありませんので、そんなときは、エレベーターの写真に×、階段の写真に○をつけて、「エレベーターを使わずに、階段を使いましょう」と書いた表示をしておきます。
 それでほとんどのお子さんはエレベーターに乗り込むことはありません。この視覚支援のアイデアは、大成功です。

 まず、声かけだけでなく、写真や絵カードを添えて、「エレベーターは乗りません。階段を使います。」と伝えることをしてみましょう。
 これぐらいのこと、と思われますが、案外、言葉(聴覚からの情報)は、子どもに伝わっていません。それに、たとえ声かけだけで、伝わることであっても、視覚的な手がかりが、邪魔になるということは、けしてありませんので、ぜひおすすめします。

 それと、エレベーターがこだわりであると考えた場合、禁止をするということを根本的に考え直した方がいいと思います。

 質問から来る最初の疑問は、どうして「乗れない時がある」のかなと言うことです。
 こだわっているものに対して、このときはいいけど、このときはダメという大人側の状況を理解させることは、自閉症児には難しいことです。

 エレベーターは子どもにとって楽しいですから、できることなら、乗せてあげたいですよね。
 ですから、はじめは、乗ってもいいときだけ、エレベーターに遭遇するようにします。乗れない時がわかっているときは、できるだけ回避してあげるようにします。
 そうしているうちに、スケジュールの中に、エレベーターを加えておき、その時に乗るという風に、乗るときを決めるようにします。

 お母さんが示してくれた時には、エレベーターに乗ることができるということが伝わってから、「今回は我慢」をもってきます。何回かに一度、自分に余裕があるとき、視覚的な手がかりを添えて、「今日は、エレベーターは_ですよ」と前もって知らせておきます。
 乗りたがるかもしれませんが、そこは譲らず乗らないことを貫きます。

 お子さんの様子を見ながら、エレベーターに乗る回数を、加減していきます。
 学校や近くのスーパーなどで、練習をして、子どもとの交渉が成り立つと、他のエレベーターでも、そういう交渉が可能になります。  

 それでも、予告をしていないとき、エレベーターに出会ってしまい、大人の事情でどうしても、乗せてあげられないときがでてきます。
 そんなときは、カレンダーやスケジュールで、「いつなら乗れるか」を示してあげてください。そしてその時は、必ず乗せてあげるように、大人も約束を守ってあげてます。

 スケジュールやカレンダーは、子どもの生活を見通しあるものにするというのが、主な目的ですが、そればかりでなく、問題行動の解決や約束事の交渉、頑張らせるための強化子とたくさんの分野で役立ちます。
 TEACCHの考え方の中で、重きがおかれているのは、そういう理由からだと考えています。

 エレベーターに乗りたいというこだわりは、それをご褒美にすることができ、スキルなどを教えるときにも使えます。
 たとえば、
1.牛肉
2.ピーマン
3.たけのこ
4.お金を払う
5.袋に入れる
6.エレベーター
という風に、買い物スキルの最後にもってくることができますね。
 こだわりは、困ったことというマイナス面に目が行きがちですが、ご褒美になるとか興味を広げるといったプラス面を含んでいます。

 自閉症児には、こだわりはとても大切な資源だということを、忘れないで下さい。

 質問にお答えして(2) 【エレベーターへのこだわり】 2001.07 ダダ母 
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