| ダダ母たより | 幼稚園・保育所への入所の際、お渡しした手紙 |
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ダダは就学前、二年保育所を、一年幼稚園を経験しました。
毎年、入所や進級の際、担任や加配の保母さんに、こうした手紙を渡しました。これは、それをまとめた形にしてあります。 当時ものに少し手を入れました。 現在なら、このくらい踏み込んでお伝えするかな…バージョン |
まず幼稚園(保育所)でお願いしたいことを簡単に記します。
今年度は、おもに次の点が伸びてほしいと考えています。「今年度の目標」
- 身辺自立の確立
- 一人でおしっこに行ける(保)
- うんこを一人で拭ける(保)
- うんこをするときドアを閉める(幼)
- シャツをズボンに入れられる(幼)
(両方とも、恥ずかしいという気持ちが芽生えていないため難しい課題です)- 1人で食べられる(保・幼)
- 給食のシステムに慣れる(幼)
などできないことだらけですが、少しずつ進歩していくように家でも根気よく指導していくつもりです。
- お友達と関わりを持って遊べるようになる
言葉も少なく、1人遊びを好むので、なかなか難しいと思いますが、お友達と一緒に遊ぶことの楽しさを教えてやってください。
一日一回でもいいです、ダダが出来そうな遊びの時にお友達の輪の中に入れたり、お友達をダダの遊びの中に引き込んでもらえたらうれしく思います。
その時によく使われる言葉(いっしょ、わけるなど)やルール(じゃんけん、お金、サイコロを使うなど)が理解できていないこともありますので、お伝え下さると、家庭でも教えるように努力します。
ブランコをこぐなどの粗大運動にもかなりの遅れがあります。
1つでもできることが増えれば、園でお友達と関わりやすくなるし、先生の負担も減ると思います。
休日にはそういう遊びを取り入れるつもりです。園での様子をお聞かせください。
- 先生やお友達に指示されたとき、従うことができるようになる。
模倣の力が弱い、言葉の理解が低いというところから、自分勝手に動いてしまうことが多いのですが、指示されたときにはそれにも従える心の切りかえや適応力が少しでも育ってくれればと思っています。
設定遊びならその場でダダなりに過ごせるように、自由遊びの中でも、次にこれをしよう、こうしてみようというちょっとした先生からのアドバイスを時おり入れていただくとうれしいです。
その際、次に何があるのか、どこへ行けばいいのか、何をすればいいのか、視覚的なヒント(実物、写真や絵カードなど)を添えて下されば、ダダにも伝わりやすくなると思います。出来るだけよろしくお願いします。
「ダダを指導していくうえで、知っておいていただきたいこと」
- 予定行動と視覚優位
『自閉症児は聴覚よりも視覚が優れています。また、前もって伝えておくということが、生活を安定させます。』
- 自閉症児は見通しが立たないことに不安を覚えます。はじめとおわりがわかりにくいのです。きりなく同じことで遊ぶのも見通しがわかりにくいからです。
次にすることがわかっていれば時間がくればすんなりやめられることもあります。
- 1日の予定(時間割)は、通常の保育でも、ダダにわかりやすい形で、スケジュールボードのようなものを作っていただくとうれしいです。
(例:1,朝の会 2,リズム体操、3,工作 4,給食、 5,お昼寝、6、自由遊び 7終わりの会 8、○○バスで帰る)
家では、その日の大まかな予定を、毎朝伝えています。
- 行事等の予定は、前もって知らせておくとスムーズに進むことが多いです。急な変更はなかなか納得してくれません。わかっているかどうかわからなくても、言葉や絵で伝えてください。
たとえば、お誕生会の日は、朝のうちに「お誕生会だよ、○○があるよ」と伝えておいて下さい。
家では、お出かけの時など前の日から予定を何度もインプットします。
- 言葉での指示は語数を少なく、簡潔に、具体的にするのがこつです。注意をこちらに向けての1対1対応の場合、指示はかなり入ります。表出語より理解語は増えているのですが、複雑な言い回しはわかりません。
また「まって」「がまん」「ちゃんと」「きっちり」というような抽象的な言葉は理解しにくいです。
- 否定的な指示より、肯定的な指示の方が伝わりやすいです。たとえば、「あけちゃだめ」より「しめてください」の方が通じます。「外にでない」より「中にいます」という方が伝わります。その場合、「中」を示すところを、椅子であるとか、マークであるとか、視覚的に付け加えると、よりわかりやすいです。
- 全体に対する声かけには反応しにくいです。少しでも全体の声かけでわかるようになるためにも、ルーティーンで行われること「朝の会」「お絵かき」「遊戯室」など出来事や、場所などは、絵を描いたものや写真などを見せていただくと、助かります。
少しずつでも、全体的な声かけで、ダダが自分で、動けるようになることが、自信に繋がりますので、ぜひ用意して下さるとうれしいです。
- 制作等は、言葉でわからないときは、見本を作ってください。どこまでしたら終わるのか、見通しを教えるのも最後まで頑張らせるこつです。
- 朝や帰りの一連のお仕事が声かけでできにくい場合には、お仕事のカード(絵と文字の入ったジグ)を導入するとうまくいきます。
ジグを使って、ひとりでできると、他のこともやってみようというダダの意欲に繋がります。
ジグについては、家で作りますので、必要と思われましたら、手順等お知らせ下さい。
- さわってはいけないもの、してはいけないことなどは、×をつけた絵を貼り付けて、説明してください。目に触れないように、棚に入れる、布をかぶせるという風に視覚的に遮断するだけでもずいぶんと効果があります。
- 問題行動の対応
『自閉症児の問題行動は、主としてコミュニケーションの不適応によって生じます。』
- 園になれるまで(ダダが自分のいる場所と納得するまで)「多動」が出る可能性があります。これはいずれ落ち着くと思いますので、外、とくに国道に出ることだけは注意しておいてください。
- 追いかけすぎると、よけいに逃げます。
- 「自傷」は以前にちょっと指を噛むことがありましたが、今はまったくありません。「他傷」は自分の思いが受け入れられないときに出てしまうことがあります。他傷は厳しく叱り、いけないことと教えてください。
もし他傷をしそうだとわかったときは、直前で「けらない」「たたかない」と行動を止めることによって「たたく→叱られる」「たたかないでいる→がまん→良いこと→ほめられる」となり、ダダにも伝わりやすいし、他傷の軽減にもなります。
- また、「他傷」の原因がわかるようでしたら、「他傷」に代わるコミニュケーションを教えてやってください。続くような場合、家庭でも、園と同じ方法で、コミニュケーションを教えていきます。たとえば、「貸して」「見せて」「止めて」「○○くん」「遊ぼう」などの表現です。
- その他いけないことについても基本は同じです。すぐに制止し、その瞬間に叱ってください。時間が経つとなんについて怒られているのかわからなくなり、叱る効果がありません。制止は、冷静にすっと止めるのがこつです。
- 困ったことが起こったときは、その行動をダメダメと叱り続けるより、うまくいったときにソウソウとほめる、また、違う行動に促してその行動をほめるといったくり返しによってダダの成長があると考えています。
- 「奇声」は、大人の注意を引くためにしていることもあります。面白がるときは、無視するのが一番です。たとえば、家では「大きな声は」と声かけすると「ダメ」とダダが答え、それで収まります。
- わざと水をこぼす、くつを投げる、おもちゃをばらまくなどわざとしたいたずらには、タオルで拭く、自分で取りに行く、後片づけをさせることにしています。そうすることで度が過ぎるいたずらは人に迷惑をかけるだけではなく、自分にとって損だと意識させることができます(おちゃめないたずらは、おーこんなこともできるようになったのかとうれしくて大目に見たりもするのですが…)。
- くるくるピョンピョンといった「常同行動」が続くようであれば、他の興味のあるものに気を移してやってください。
- 「かんしゃく」はその時々によって、対応を変えています。
悲しい、怖いなど感情的なぐずりは、なぐさめも必要です。
しかしわがままが通らない、順番が待てない、いつもとやり方が違う等で、かんしゃくを起こす場合、キゼンとした態度でさとすことそして、書いて見せて示すこと、で通してください。
対応は「やさしくキゼンと」が基本です(家庭でも言うはやすし、行うはかたしですが…)。
- また理不尽なパニックについては、おさまるまであまり相手をせず、部屋の隅や自分の椅子などで、様子を見るというタイムアウト方式もあります。
家では小さな毛布を被って部屋の隅にうずくまって1人でおさめたりします。それでおさまるようでしたら、「よく1人でがまんできたね」とほめることで、「がまんする=ほめられる=良いこと」が結びついていきます。
保育指導の中で一番たいへんなことだと思いますが、よろしくお願いします。
- 発達をうながすために
- 給食という新しい環境ですので最初はとまどいもあると思いますが、食事については、基本的には「食べなさい」という強い態度でお願いします。苦手なものも一口食べる、箸を使って食べる、バランスよく食べる、行儀よく食べる、楽しく食べるなど、きちんと食べるにはいろいろな要素がありますが、毎日毎日のことですので、焦らず、諦めず、根気よくいきたいと思います。
ここでも、うまく食べられたなあと思われるときはほめてください。
- 自閉症児は同じパターンのことを好む傾向があるのですが、ダダの遊びも、こだわりと化してしまうことがあります(同じ本ばかり読む、お絵かきばかりしたがる、好きなキャラクターのことばかり口にする…)。
見ていて、また同じこと…と思いますが、一つのことに興味を持つこだわりも大事にしながら、友達との関わりの中で、自分本位の行動ではなく、別の遊びもしなければならない、ということを少しでもわかって、楽しめるようになればと思います。
- 言葉はすぐに増えていくものではないようです。家では、わかりやすい言葉かけ(2語文、3語文までの明瞭な、肯定的な言い回し)を心がけています。
また、逆オウム返しといってダダの発語をこちらが繰り返してやったりもしています。そうすることによってダダと共通した世界を持つことができ、こちらの言葉の真似もスムーズになります。
- ダダが知っている言葉はできるだけ発語させる、お願いや要求は常に言わせること(すぐに要求にこたえるのではなく、少し待ってちゃんと要求を言わせてから、ほめて、してあげる)で、しだいに会話になればと思っています。
- また、ダダの独特の言い方、たとえばブランコのときの「二つ」や、1人でしたいときの「バイバイ」など、また「持ってくる→持っていく」「ぬぐ→ぬがす」など相手に対する言葉の混乱が出るときは、家では正しい言い方、「両手で押してください」「1人でします」に訂正させています。
誰にでも通じる言い方を身につけてほしいと思っています。
- しかし、たくさんの表現が出来るようになって欲しいと思っているわけではありません。むしろ、要求(「○○下さい」等)や拒否(「イヤ」「止めて」等)、注意喚起(「先生」「**くん」等)といった基本的なコミニュケーションの力が付いてくれればと思っています。
- 気持ちを聞き出す方法として二択の質問をよくするようにしています。たとえば、「ブランコにのりたいですか?」と聞くとたいてい「ブランコにのりたいです」と答えますが、「ブランコをしたいですか? 滑り台をしたいですか?」と聞くと、「滑り台をしたいです」と答えたりします。
- 自閉症児は、見た目にはわかりませんが、聴覚からの情報を取り入れる力が、とても弱いです。
ですから「言って聞かせる」という健常児なら普通のことでは、うまく伝わらないことが多いです。それで、なんでも「見せて伝える」という方法をとって育てています。
「見せて伝える」とダダにもわかりやすく、わかるということが、言葉や行動になって表れ、発達を促すことにもなりますので、少し手間のいることですが、必ず取り入れていただくとうれしいです。
写真や絵カードの製作や、その他なんでもお手伝いいたしますので、ご指導のほど、よろしくお願いします。
「さいごに」
- 上記のことは、先生が指導するうえで、心に留めておいていただきたいと思い、基本的なことを少し詳しく書きました。
もちろん、毎日のことですから、急な変更もありますし、ダダ1人のクラスではないのですから先生の目の届かないときもあると思います。
そんな時もこれから大きくなればたくさんあるのですから、ダダにとって良い勉強の機会だととらえ、がまんしたり、1人でしたり、がんばらせてください。いろんなことを一気に書いてしまいましたが、すべてがすぐにできるようになる訳ではないのは私が一番わかっております、
少しずついつの間にか成長してくれたらと思っています。
ダダが楽しく安定して、毎日を送れるように、家庭でもがんばって参りますので、よろしくお願いします。
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