ダダ母たより ダダのひとり旅日記 
 みなさま、こんにちは、ダダ母です。

 先月(2000.10)のことですが、ダダが「ひとり旅」に行きたいと言い出しました。それで、まあ、すったもんだがありまして、その顛末を「ダダのひとり旅日記」として、ご紹介します。
 某所での連載そのままの形ですので、わかりにくいところがあるとは思いますが、ご容赦いただき、ただの読み物として、楽しんで?いただければと思っています。
 とても長いので、お急ぎの方は、読み飛ばしてください。

では、はじまりはじまり…。



【ダダのひとり旅日記・その1】

10月4日(水)晴
 
今日はダダの社会見学旅行。
いつもの団体バスとは違い、公共の交通機関を使って、三田・フラワータウンの「人と自然の博物館」に行くというものだ。
今回は好きな電車やバスに乗れるということもあって、意気揚々に出発。それまでのプロセスも積極的に参加できたらしい。
団体行動での逸脱もなく、とてもスムーズに過ごせたようで、帰宅後のダダの顔もニコニコ。
ただ一つ「レストランでカレーとアイスを食べます」と障担に訴えたのだが、もちろん受け容れてはもらえず、弁当で我慢。
「カレーとアイス」がとても心残りのようだ。
夕刻「土曜日、1人でフラワータウンに行きます」と突然話し出す。
そんなんいうても「土曜日は、村の秋祭りの宵宮でしょ!」。
 
10月5日(木)晴
 
今日は、社会見学旅行の作文を書いた。
教室では集中しにくかったので、場所をワークシステムの机に移動した。
障担はいつものように、いろいろとおしゃべりしながら、「あれをしたね」「こうだったね」と助言をしながら、書くものと思っていたようだが、今日はダダの方からしゃべりながら、1人でどんどん書き進んでいったとのこと。
それも、昨日の経験を正確に予定として再現した「未来日記」を。
「土よう日に、一りで でんしゃにのってさんだにいきます。」で始まり「・・・・レストランで、カレーとアイスをたべます。・・・」ときて、「ワゴンRでむかえにきてね。かえったらはみがきするよ。」で終わる長文の作文には、ダダの意気込みが感じられる。
一気に書き終えた後、「三田に行ける?」と障担にたずねるダダ。障担からの連絡帳には、「どうでしょう?ひとり旅」の一文。
ウーン、小学校へも1人で行けないのに、いきなり三田かよー…。
ダダ父とボランティアさんを捜して「お助けマン付きひとり旅」という方向で、考えてみようと話し合う。
 
10月6日(金)晴
 
ダダが「土曜日、一人で三田に行きます」と何度もいう。
けれども、明日は、村人月間最後のイベント村祭りがある。それで、ダダに「7日、土曜日は、“よいやせ”(ダダの言葉でお祭りのこと)ですから行けません」と言うと、「何日?」と聞いてくる。
こういうところは決定しないとしつこい。しばらくこっちが考えている間に、ダダは「14日、土曜日、三田へ行きます」と頭の中のカレンダーをチョイッと眺めて自己決定。おいおい…。
「でも1人ではやっぱりお母さんは心配です。ボランティアさんが一緒でいいですか?」とたずねると、「ダ〜メ!」。
たった1人でどないするつもり?まあいい、本格的に誰か捜そう…。
 
10月7日(土)晴
 
学校では校内の畑で作ったサツマイモで焼き芋大会。
夕刻から、村祭り宵宮。約4時間村中を練り歩く。今週はひとり旅じゃなくて御輿の旅ね。
 
10月8日(日)晴のち曇り
 
本宮の日。村のしきたりにがんじがらめ。
 
10月9日(月)雨時々雷
 
果てしなく疲れた体を、休めるべくダラダラ。
雨上がり、隣町の本屋に出かけ、ダダ、鉄道ファンを買う。
その後、ラーメンを食べて帰る。私にとって、実にシアワセな行楽!
夜になり、ようやくボランティアさんを頼めそうなところにメールを入れる。しもた、今まで忘れとった!
 
10月10日(火)晴
 
学校では、あまった芋で、いも版作り。ダダの作品は、これまた芸術的!
下校時、またひとり旅の話題になり、ダダに「ボランティアさんと一緒じゃないと行けません」と話すと、「ボラさん、一緒でいいです。お母さん、お父さん、お兄ちゃん、お祖母ちゃんはお留守番。」
やっと許可をもらう。絶対に親は嫌やねんな!
しかし、夜になっても、ボランティアさんからのOK連絡はなかった。
 
続く…
 
 みなさま、こんにちは、ダダ母です。

 続きです。ドンドン長文になりますご容赦下さい。

【ダダのひとり旅日記・その2】

10月11日(水)晴
 
今日のダダは、保育所交流会。保育所の時の加配の保母さんが、「私のこと憶えてる?何先生でしょう?」とたずねるも、「ワカリマン!」。
 たぶんそうだと思ったけど、あれだけお世話になったのにカワイソー!
 
 夕食時、なにやら一生懸命に絵を描くダダ。出来上がったものを見ると、「三田に行きます」のまんがバージョン。
 電車やバス、恐竜、カレーにアイス・・・最後にはワゴンR、そして歯磨き。完璧!
 でも、その中には、ダダの作ったファンタジー“宇宙から円盤がやってきて、爆弾をおいて、爆発して、逃げ帰る”というストーリーも混ぜてある。よくわからんが、この部分がダダにとって大事みたい。
 絵の中には、自分の他に“エノケン”(12chの「ひとりでできるもん」に出てくるキャラクター)が付き人のように書かれている。
 そう、ダダはボランティアさんをエノケンとして受け容れたのである。
 
「なんとか実現してあげたいねえ…。作文とまんがのダブルでこられちゃ、行かさんわけにはいかんやろ?」とダダ父と話していると、そこへ、頼んでいたボランティアさんから電話が…。
「ワタシ行きます!土曜日は職場の運動会で、大縄跳びに出る予定だったんですが、こちらの方がおもしろそう!」。
「ありがとうぉぉぉぉぉぉぉ!」
これで実現に向けて、発進だ!
 
10月12日(木)晴
 
連絡帳で、社会見学の、前資料をかしてもらえないかお願いしてみる。
ダダのお迎えの時、職員室で親担のPCを見せてもらい、しおりに使った写真のほかで使えそうなものをピックアップ。
名刺よりちょっと大きめに印刷をして翌日に渡して下さるとのこと。こういうとき、サッと動いて下さるのがありがたい。
 
ダダは、すでに気持ちが「ひとり旅」へと向かっているようだ。
学校での行動にしても、家での生活にしても、ピリッとして、どうしたの?という感じ。
社会見学の時、サイフに紐をつけて、首からぶら下げたので、そこに、“ココロンカード”(兵庫県の小中学校の生徒さんに配られている
無料で博物館やらに行けるカード)をパウチしたものを、一緒にぶら下げた。
イメージしながら、資料を集めるが、神姫バスと神戸電鉄の時刻表が手に入らない。
やっぱり明日は下見にいかんとだめかな?
 
10月13日(金)晴
 
「いよいよ明日は、ひとり旅。どうなりますやら、月曜日を乞うご期待!」などと、テンション高く書いた障担への連絡帳をダダに持たせて、学校へ送っていった。さて、今日は下見だ!
 
急いで洗濯物を干していると、そこへFAXが…。
「昨日から、じんましんが出ています。今日は顔まで…。土曜日は、その様子でどうなるかわかりません。・・・」頼んでいたボランティアさんからだ。
「ひゃ〜〜〜!」発進していたのが、発疹に変わってしまったぁ。
 
どないしょう???…ここは冷静に、冷静に…。
まず、心当たりの友達にtelをしてみたが、土曜日は、少女バレーのコーチに行くという。あれこれ考えているウチに電車の時間が迫る。
お仲間のメーリングリストに、「急募!」の書き込みをし、カバンとデジカメ、チェキ、を持って、とりあえず駅に向かった。
 
駅で、券売機の写真を撮る。そこから、ダダがとるであろう行動を予想しながら、必要と思われる情報を写真に撮っていった。
電車に乗り、時間を計り、駅名を記録し、注意するところを取材しながら、結局「人と自然の博物館」まで行くことにした。
 
バスから、風景を眺めていると、ダダのまんがが一コマ一コマよみがえってきて、「ほんまや、そのままやなあ」とダダの視線の確かさを実感した。
ダダの見ている風景を、私も見ているのだ…。そう思うとドキドキした。初めての感覚だった。
 
人と自然の博物館のレストランでは、食べたくもなかったがカレーとアイスを注文した。550円と350円合わせて900円。これなら、1000円札を出せば、お釣りをもらえるな。1人で払える。伝票と千円札の写真を撮ってきた。
カレーの写真も撮るつもりだったのだが、目の前に運ばれてきた途端、そのことを忘れて食べてしまった。気が付いたのが遅くて、いくつかの米粒がお皿に残っている状態の写真を撮っても仕方がないので、ついでにアイスも撮らないでおいた。
飯ものとなると、本能で動いてしまう自分が悲しい…!
ウエイトレスさんにレジの写真も撮らせてもらった。理由をいうと、わりと養護学校の生徒さんも来られるらしい、レジの練習もされるので「大丈夫ですよ。慣れています」と言われた。こういうのを聞くと安心する。
 
トイレの写真はいるかな?とマークをおさめた。トイレの中は?と考えたが、私も一応は女性なので、男子トイレで激写なんて変態的行為だよなあ…と躊躇していると、博物館の河合雅雄館長が入ってこられた。
ギリギリセーフ!止めててよかった。
 
帰りの行程も、同じように記録しながら、下見は終了。
人と自然の博物館へ行って、カレーとアイスを食べてかえってくる。これだけで半日以上費やしてしまった。博物館での滞在時間は30分強。たくさんの問題点が浮かんできて、スキル的には、多すぎるのだが、ひとり旅という主旨を考えると、「1人でする」ことを増やしてあげよう。出来るように支援しよう。
たとえボランティアさんがダメで、私とであっても、「1人」を強調すればなんとかなるかもしれない。不安な気持ちのまま、帰りの電車の中で、何を作ればいいのか、考えてみた。
 
帰宅し、しばらくすると、もうダダの下校時間。
学校では「ひとり旅をする人は・・・・」の冠で、ダラダラした態度も一変するほどの効果があったらしい。思いっきりあおって下さっている。
障担にも、ボラさんが危ういということを伝えると、ダダよりがっかりした顔。
「誰かいませんか?」と聞いてみるけど「今日の明日じゃねえ」。そりゃそうだ!
ダダに、「ボラさんが、病気になってねえ。明日のひとり旅、お母さんでもいいですか?」とおそるおそる聞いてみた。「ダ〜メ!」。
そりゃそうだ!
家に戻り、TASでお世話になっている高校のボランティア部の顧問の先生にtelを入れてみた。
「出張です」。なんでこんな時に、出張やねん!と怒りの矛先が、どんどんよそへ向く。
他にも、電話を入れるが、やっぱり明日という条件はきつい。
 
ダダの様子が、段々と危険な方向に行く。
私が、はっきりと「ひとり旅OK!」と言わないからだ。
電話の口調から、何かを感じ取っているようだ。
「お母さん」と呼んでは、ボンっと叩いたり、イライラしている。
紙に書いて説明したり、大丈夫と声をかけたりしても、こうなるとおさまらない。
ダダに「ダダはイライラしています。(その日学校でトラブルのあった)帽子のことですか?ひとり旅のことですか?」と聞いてみると、布団のしたから「ひとり旅・・・・・ボラさん・・」と小さい声がした。
手当たり次第のものを投げつけ、ひとしきり私を叩き、ジュースを吐いて、お布団の上に失禁をして、やっとおさまった。
久しぶりの大パニック。ごめん、かわいそうなことをしているね。
気を持たせて、ダメかもしれん…なんて、私でも「バカにすない!」って思うもの。
 
ボランティアさんのFAXに書いてある、電話番号を見せて読ませて、「ここにもう一度聞いてみるから…きっと大丈夫」と伝えると、ようやく表情が緩んできた。。
約束どおり電話をしてみると、「まだじんましんがでている」とのこと、でも、「明日は、行きたい!気持ちは変わらない」とのこと。
仕方がない。もし、ダメでもGO!だよ。
何となくブルーな気持ちで、浮かない夕御飯を食べていると、月光仮面(ど〜この誰かは知〜らないけれど、誰もがみ〜んな知〜っている〜)のような善意ある人からtelが…。
 
「明日、あいてるっていう人がおるんやけど………」
 
まだ13日だが、その3に続く…。
 
 

【ダダのひとり旅日記・その3】

10月13日(金)星空のち霧
 
「明日、あいてるっていう人がおるんやけど………」
 
月光仮面のおじさんの声は、私には、まさしく月の光に反響しているように聞こえた。それもそのはず、その人は、反対の耳に、ボランティアさん希望の人の電話を受けながら、こちらとも電話をしていたのだ。さすが月光仮面!やることが違う。
要するにプロバイダの役目をしてくれていたわけだが、そのプロバイダ、容量が小さいのか、結構しどろもどろ。
でも、この朗報は、選挙速報で上から2番目の立候補者に当確のバラのサインがついたようなもの。
たとえ一番目の得票数がのびなくても、これで明日のひとり旅は、確実にGO!出来る。
 
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
 
子細については、今晩中にメールをする約束をして、電話を切った。
ダダに、「ボランティアさんが決まりました。明日はホントにひとり旅だね」と伝えると、口には出さないけれど、とてもうれしそう。
テンション、上がりまくり!
その後のダダの様子は、夕方の様子と比べるとまるで「使用前、使用後」というぐらい違っていた。
 
ダダと兄貴を寝かしつけた後、今日取材してきたメモを見ながら、始まりから終わりまで、「ひとり旅全行程」として、シュミレーションしながらまとめにかかる。
乗る電車。バスの時刻。各行程にかかる時間。支払う金額。
ダダが1人ですることは、どんなことか?
一つ一つの行動に、必要なスキルは?
ボランティアさんには、どんな時にどういう風にサポートをして欲しいか?
これはダダの「ひとり旅」なのだから、出来るだけ、声かけや手助けを少なくして、ダダに「1人でできた」という実感をしてもらいたい。
だから、ボランティアさんには、ダダを上回る情報量が必要だと思った。ある程度の行動を予測し、出来る出来ないを見極めてた上で、サポートをして欲しかったので、少し細かいけれど、伝えることにした。
ようやく書き上げ、ボランティアさんにメールをしたのが、日付が変わる頃。
 
さて、今度は、ダダ用の「ひとり旅ファイル」を作らないといけない。
親担からもらった写真と、今日撮った写真とを合わせると、40枚近くある。
それらを、最初の券売機で切符を買うところから、ワゴンRでお迎え、最後の歯磨きまでを、項目ごとに見開き1ページになるように、レイアウトをし、一枚一枚がいつも使っているシートのようにすれば、ダダにも違和感がないかもしれない。
 
ダダの視覚支援グッズを作るときは、とてもワクワクする。それと同時に、こんなん役にたつんやろか?という不安にもなる。
今までの経験から、初めてトライする事柄の視覚支援は、出来るだけ正確なものを作り、一等最初に見せる方が、効果はぜんぜん違う。
それに、ダダが将来、本当のひとり旅をすることになっても、行程を示したファイルを自分で使えるようになってくれたら、結構スマートかも…と先のことまで考えていると、はさみやのり、定規、カッターは、フル回転する。文字通り、切り貼り。
ホームメイドの「ひとり旅ファイル」がやっと出来上がった。3時になっていた。
 
サポートブックの時もそうだったけれど、なんでいっつも、こう即席でしか作れへんねやろ?
“火事場の馬鹿力”とはこのことね!
 
最後に、買った切符をどう管理するようにすればいいのだろう?と考えてみる。
ポケットだと着ている服によって毎回混乱するかもしれないなあ…。いろいろと悩んだ末、透明なカードケースにリングをつけ「きっぷ入れ」と書いて、サイフと同じ紐にぶら下げた。これで、全作業終了。
 
揃った支援グッズをもう一度、見直して、カゴにしまう。
ヤレヤレ!ここまでして、役にたたんかったら涙モンやね?!
まあ、役に立ったら号泣モンやけど…。
 
寝室に戻り、いつものダダなら、後2時間で目が覚めちゃうんだよなあ…と思いつつも、気を失うように、布団に倒れ込んだ。
 
ホントに長い1日だった…。
 
続く…いつになったら旅立てる???
 
 ダダ母です。今回は資料ですので、滅茶苦茶長いです。すみません。

 ダダが旅立つ前に、ボランティアさんに提出した、「読むだけで追体験できる、ダダのひとり旅全行程」を“その4”にします。
 これを読んだ上で、現実の旅がどうだったのか、照らし合わせていくと、ダダの様子が、よくわかります。
 また、出発先を最寄りの駅に変えることで、他のお子さんにも応用がきくのでは…と思いUPします(ただし「人と自然の博物館」へ半日帰りできる地域の方限定)。

「・」が、ダダが1人でするところ。数字はスキル。
「*」が、ボランティアさんへの解説と、注意点です。

【ダダのひとり旅・その4】

・家からモヨリ駅まで、ワゴンR
*いってらっしゃい
・駅改札で、ボランティアさんとあいさつ
*よろしくお願いします。
・切符を買う→1,お金(○○円)を入れる
       2,子どもボタンを押す
       3,○○を押す
       4,切符を取る
*大人の切符は、○○円です
・改札を通る→1,切符を入れる
       2,切符を取る
・○番線のホームへ行く…○○:○○発○○行き
       1,電車が来るまで椅子に座って待つ
・JR電車に乗る
*危険なことやマナーが悪かったら注意して下さい

三田までの駅
「モヨリ駅」=「○○」=・・・・・・・・・・=「○○」=「三田」
モヨリ駅より○つ目、所要時間約○○分

・電車を降りる

*おりる気配がなかったら促して下さい
*忘れ物に注意して下さい
・階段を上る
・改札を通る→1,切符を入れる(切符は出てこない)

・南出口バス乗り場の方へ下りる…11:35発フラワータウン経由富士ヶ丘6丁目行き
・椅子に座って本を読んで待つ
*ウロウロするかもしれません
*フラワータウン行きのバスまで、かなり待ち時間があります
*切符売り場もありますが、バス代はバスの中で払います。社会見学旅行でそうしたので…
・11;20頃、バスが到着する((1)か(2))
・バスに乗って待つ→1,整理券は出ない
          2,140円を用意する
*マナーが悪かったら注意して下さい
*大人のバス代は、270円です

フラワータウンまでの停留所
「三田駅」=「法務局前」=「中央公民館前」=「市立図書館前」=「武庫ヶ丘2丁目」=「三田谷公園北口」=「武庫ヶ丘6丁目」=「フラワータウンセンター」
三田駅から7つ目、所要時間約15分

・バスを降りる→1,降車ボタンを押す
        2、運賃箱に140円入れる
        3,バスを降りる
*社会見学で2は経験していますが、1はたぶん難しいかもしれません

・人と自然の博物館方面へ歩いていく(約10分)
*道路をわたるときだけ注意して下さい
・人と自然の博物館に到着…12:00頃
・ココロンカードを持っているので、直接3F出入口から入る
*お渡ししている前売り券を使って下さい
・インフォメーションで、ココロンカードを見せる
・パンフレットをもらう

・博物館内を自由に見学
*人に迷惑がかかるようなことをするときは注意して下さい
*ダダの興味があるものが、よくわかると思います(恐竜、亀、ジオラマ、ボタンを押すことなど)

・お昼御飯を食べる…4F喫茶ミューズ
      →1,テーブルにつく
       2,カレーライス(550円)とアイス(350円)を注文する
       3,タオルと本を出す
       4,本を読んで待つ
       5,カレーライスとアイスを食べる
       6,1000円札を用意する
       7,伝票と1000円札を持ってレジへ行く
       8,レジでお金を払う
       9,お釣り(100円)とレシートをもらう
      10,お金をサイフに入れる
*まずテーブルの砂糖を隠して下さい(勝手に口を付けて食べてしまいます)
*マナーが悪いところは、注意して下さい
*カレーが熱いときは、小分けのお椀を要求するかもしれません。どんな風にするのか様子を見てください
*支払い方法(伝票やお金を扱うこと)は、したことがありません。できないときは手伝って下さい
*テーブルを離れるとき、本やタオルの入れ忘れがないかチェックして下さい

・食事の後、トイレに行って、おしっこをする
*かたい方なので、外では一回で充分だと思います。
*自分のトイレは、ダダが食事をしているウチに、そこにいるように伝えて、すましておくことが多いです

・博物館内を自由に見学

・人と自然の博物館を出発する…1:50頃
・神鉄フラワーセンター駅へ行く(約10分)
・切符を買う→1,お金(150円)を入れる
       2,子どもボタンを押す
       3,150のボタンを押す
       4,切符を取る
*大人の切符代は290円です
・改札を通る→1,切符を入れる
       2,切符を取る
・2番線のホームへ行く…2:08発三田行き
      →1,黄色い線の内側でまつ
・神鉄(ダダのいう地下鉄)に乗る
*マナーが悪かったり、危険なことには注意して下さい

三田までの駅
「フラワータウン」=「横山」=「三田本町」=「三田」終点まで、所要時間約7分

・神鉄電車を降りる
・改札を通る→1,切符を入れる(切符は出てこない)

・JR三田駅に乗り換える
・切符を買う→1,お金(○○円)を入れる
       2,子どもボタンを押す
       3,○○のボタンを押す
       4,切符を取る
*大人の切符は、○○円です。
・改札を通る→1,切符を入れる
       2,切符を取る
・○番線のホームにへ行く…○○:○○発○○行き
       1,電車が来るまで椅子に座って待つ
*のどが渇いているようでしたら、自動販売機でジュースを買うように促して下さい(たぶんコーラかポカリを買うと思います)
・JR電車に乗る
*逆コース、所要時間約○○分
・モヨリ駅で降りる
・改札を通る→1,切符を入れる(切符は出てこない)

・西口へ下りる
*おかえりなさい
・ワゴンRでお迎え、家に帰る
*全行程終了、ご苦労さまでした

・歯磨き(なんでや?)

【ダダには、ひとり旅用のファイルをもたせます。それを見ながら、ひとりでできることは、1人でするということを伝えておきますが、なにせ初めてのことですので、要所要所でチェックして下さい。 その場面のページをめくって、示してくださるとうれしいです。 また、カメラを持たしていますので、電車やバスの写真を撮ると思います。ホームや道路といったところでは、「黄色い線の内側で撮ります」とか「歩道に上がります」とか気をつけてやってください。 『危険なこと』『マナー』『忘れ物』『お金や切符の管理』が、心配なところです。まあ、いろいろあると思いますが、大目に見ながら、よろしくお願いします。】

続く…。はよ、出かけんかい!!!という声が聞こえてきそう…。
 

 
 大変ながらくお待たせいたしました。やっと当日です。

 私自身がついていってないので、旅の間のことは、全て伝聞です。
 その後、障担とお話をして、社会見学旅行の時の様子を、もう一度お聞きし、ひとり旅でのダダの行動が、「なぜそうだったのか?」合点がいきました。

 「…そうだ」「…らしい」「…ようだ」の連発を避けたいので、ボランティアさんの話、障担の話をミックスして、『まるでワタシがその場にいた』かのようにして、書かせていただきます。

【ダダのひとり旅日記・その5】

10月14日(土)晴
 
「お母さん、起きて!」という声で、目が覚める。時計を見ると、6時半。いつもより一時間もよく眠れたという計算になる。
窓の外を見ると、濃い霧がでている。この地方では、こういう日は、たいてい、昼間はよく晴れる。
ダダの調子は、まずまず。朝食も「今日は、ひとり旅だねえ」とあおると一発。強化子が後にあると、俄然行動がスムーズになる。
 
3時間ほど前に完成した、ファイルをもう一度見てみると、何となく気になるところがあり、他の仕事をほったらかしで、再び食卓に、文房具を出してくる。
作業をしていると、電話が鳴った。じんましんのボランティアさんからだ。「今朝はじんましんが、腕だけなので、行かせていただきます。それと、いとこが一緒に行きたいっていってるんですがいいですか?」
あれだけすったもんだした、ボランティアさんの件だが、結局「さる、犬、キジ」…、いや「三人官女」を連れて行くことになってしまった。なんと贅沢な「ひとり旅」だろう。これで「ひとり旅」と言えるのか?
 
駅で落ち合うことにして、持ち物や洋服を準備する。
こういうときは、都会ッ子の服を着せなくっちゃね!
サイフ、ココロンカード、切符入れがぶら下がっている紐を首からかけて、小さなカメラをポケットに入れてあげると、自分からリュックを背負い、ダダの聖域である帽子を程良くおさめて、玄関先の大きな鏡の前で、ポーズを取るダダ。
これは、とても珍しいこと!ダダの張り切りが、伝わってくる。
 
2番目立候補者当確のボランティアさん(ボラ青さん)が、たずねてきてくれた。
ダダには、15分後に出発と伝えていたが、出発するまで、しばらくソワソワして所在なげ。
ボラ青さんに、少し説明をする。持っていってもらったものは、「旅の全行程」「時刻表」「博物館の前売り券」「資金」「サポートブック」そして「ひとり旅ファイル」。
本当は、「ひとり旅ファイル」はダダが持って、それをめくりながら出来ないかな…と思ってB5版の大きさにしたのだけれど、やはり、初めての使うものだし、他の荷物もあるので、自分で持つのには、無理があった。企画だおれ!
それで、ボラ青さんが、手に持っていって、出来ないところを見せて伝えるということになった。
 
出発時間がきたけど、それまでソワソワしていたダダが、一転して動きを止める。NHK教育で、恐竜のTVが始まってしまったのだ。
よりにもよってこんな時に…。声をかけるたび、出かけることに気が付くんだけれど、またしてもテレビの前へ…。ウーン、いつもなら「終わってから!」ッテ言うんだけど、今日は電車の時間があるでしょ!
 
なんとか、誘導し、ワゴンRに乗るように言うと、「お母さん、行きません。ボラさんと…」と、言い始め、曇った顔に…。
「ハイハイ!私は駅まで運転するだけです…。ついては行きません!」なんだかむなしい。
 
駅では、とにかくついて来て欲しくないようなので、ロータリーで「いってらっしゃい」。振り向きもせず、駅の構内へ消えていった。
ヤレヤレ!これで、ひとねむり、ひとねむり…。
 
駅の改札口で、他のボランティアさんと合流した。ボラ青さん、ボラ赤さん、ボラ緑さん、三人揃い踏みだ。かえすがえすも贅沢!
 
さて、ダダの最初の課題?「JRの券売機で切符を買う」に、いざ出陣!と思ったが、「オヨヨ…」(古いなあ!)あれ?反応がない。
それで、ボラさんが、ファイルを見せてくれ、やっとすることがわかり、お金を出して、券売機に向かうことが出来た。
けれども、並ぶということがわからず、他の人の脇をすり抜け、一目散に券売機へ行こうとする。
なんだか、怪しいさい先…。
実は、社会見学の時、券売機の練習は、神鉄の駅でしただけで、JRに乗るときは、すでに団体の切符を購入してあったので、券売機は使わなかったとのこと。だから、ダダは、当然せんでも入れると思ったらしい。
並ぶと言うことも、学校では、他の生徒さん達がうまい具合に誘導してくれるから、なんとか形になっているだけで、本当の意味での並ぶは、きっちりとわかっていないようだ。
けれども、ファイルを見たら、出来るということは素晴らしいこと。一番最初のつまずきで、ファイルの意味を理解したことだろう。
 
切符を改札機に入れ、出てきたのを取る。こういうのは、好き。
切符を入れるケースは、初めての試み。朝にダダに伝えておいたけど、自分から入れるということはしない。でも、声をかけるとOK。
今回はこれで、かまわない。
 
電車の中では、とてもハイテンション。
運動会のダンスの音楽「慎吾ママのおはロック!」を気分良く歌う。
まわりのお客さんにも、特別なスマイルで「オッハー!」。
一番先頭車両の、運転席のガラスにかぶりつきで、景色を楽しむ。
 
電車の中と、バスを待っているときに、やはり「朝です」コールが出た。ダダは、朝と昼、そして夕方の変わり目が気になるというこだわりがあるのだ。デジタルの時計を見せて時刻を伝えると安心する。
サポートブックに書いてあってので、ボラ赤さんも、「アーこのことか…」と思ったそうだ。
やっぱりそういう“こだわり”を伝えておくと、どちらも安心できる。
 
三田駅で、自発的に降りたのかどうかわからない。たぶん無理だったと思う。駅に降りると、やはり乗ってきた電車を見送るまで、動けないところがあり、今回は乗り換えに余裕があるけど、すぐに乗り換えというスケジュールだと、ダダにとってはキツイなあと思った。
 
バス停で、椅子に座って待つ。すると、おもむろにサイフから140円を取り出し、握りしめたまま、バスを待っている。
ボラさんは、とても不思議だなと思ったそうだが、社会見学旅行の時、大勢のの生徒さんに、払い方を教えるため、バスを待っているときに、全員がそれぞれお金を準備したとのこと。
前にしていることを、確実にくり返しているのがわかる。
それにしても律義なヤツ!
 
バスに乗ると、さっそく、運賃箱に、お金を入れに行こうとする。
「これこれ!降りるときですよ。」ボラさんに促され、ダダの定位置、最後部のシートに引き返す。
ボラ青さん曰く、「目の色が変わりましたよ。運賃箱にお金を入れることが、したかったことの一つだったのでしょう」。
なるほど、楽しいもんなあ…あのチャリンチャリン…。
 
降車ボタンは、他の人が押したけど、反応はなし。
社会見学の時には、経験していないから、意識にも入っていなかったのだろう。
でも、あのタイミングは、今のダダには、果てしなく難しいと思う。
降りる停留所のアナウンスがあったら、ボタンを押すなんて、どれだけ大きくなっても無理かもしれない。
 
バスを降り、人と自然の博物館の入口に向かって歩く。
ダダは、「ワシについてこい!」といわんばかりに、張り切って歩いていった。けれども、なんだか入口が違うみたい。少し迷って、3Fの出入口を見つけた。
なんのことはない、社会見学の時は、団体の入口から入ったとのこと。
再現をしているわけだから、当然そこへ行く。迷うのも当たり前だ。
 
インフォメーションで、ココロンカードを見せて、パンフレットをもらう時は、思った通り、すーっと素通りしようとする。
前回は、団体扱い。カードを使わず、入っているからだ。
でも、「まって」と止めてもらい、ボラさんが促すと、ぶら下げた三種の神器の中から、ココロンカードを選び出して、見せることが出来た。
声はかけてもらったけど、1人でしているという感じになって、ぶら下げ作戦は、大成功!
 
すぐに?4Fのフラワータウンのジオラマのところへ行って、しばらく見学。ジオラマはなんでも大好き。電車かなんかが動いていれば、もっと好き。
 
その後は、待望の「レストランで、カレーとアイス」の時間。
ダダがテーブルを選ぶ。お願いしておいた「砂糖壺隠し」は、ボラさんの連係プレーで成功した。
ダダは、ファミレスでよく見かける、斜めの口になった、注ぎ方の砂糖壺に、メッポウ弱い。まあ、あれを見ていると、口を付けて下さいといわんばかりの形をしているので、仕方がないのだが…。
 
ダダとボラさんは、同じテーブルについて、注文をはじめた。ダダは当然「カレーとアイス」。ボラさん達が、メニュウを見ていると、ダダが「ボラさんは?何?カレー?アイス?」とたずねてくる。こういう人のものを気にすることは、今までしたことがない。
聞いてびっくり、見て(ないけど)びっくり。
 
注文が終わると、ダダはリュックから、本を取りだし、それを見て待っている。家族でレストランへ行くとき、そういう習慣にしているのだけれど、いつもは、私が本を出してあげていたので、自分から、本を出して、読んで待つ、ということが出来るようになっていたとは、これも驚き。小さなときからの積み重ねが、実を結んでいるのを知り、とてもうれしい。
 
ダダのカレーが、先に来た。ボラさんが「ダダくん、どうぞ食べて下さい!」と促してくれるのに、ダダはいっこうに気のないそぶり。
ボラ赤さんは「お腹が減っていないのかなあ…」と思ったそうだが、ボラさん達の食べ物が届くと、サッと手を合わせて、「いただきます」。
ダダは、みんなが揃うのを待っていたのだ。わが子ながら、拍手!拍手!
 
学校でも、入学当初、待てなかったり、友達のを取ったりしていた給食も、今はきっちりとルールを守っている。それが、活きているんだな!家庭では、ぜんぜんそんなところがないもの…。だいたい親が、待ったがないし…。ほんま、ビックリした。
 
カレーは、少し熱かったようで、「カレー熱くない?」。しばらくして、「お椀いります」と自分からお願いをする。その後、「混ぜていいですか?」いつもは、私にさせるけど、今日はとても自然に自分で混ぜはじめた。それほど「ひとり旅」の自覚があるのだろう。
 
隠していた砂糖壺、「隣のテーブルに、あるのはなぜ?」と気が付いたダダ。やはり捜しはじめる。三角柱のメニュウが不自然にかぶせてあったので、それに気づき、上から「見ていいですか?」
それで、少しだけ押し問答するも、「恐竜を見に行きますか?」とのボラさんの問いかけに、我を取り戻した。すごいなー!
 
伝票は、ボラさんが、ダダと自分達の分を分けてつけてもらうようにお願いしてくれた。
そうしないと、ダダが1人で支払いにいけないからなんだけど、そのことによく気が付いて下さったモンだ。私は、すっかり失念していた。
ファイルを見せてもらい?1人でレジへ払いに行く。
ちょっとあわてていたのか、サイフからお金をおとしてしまうというハプニングはあったけれど、お釣りとレシートを、お財布に入れることは、OK。きっちりしている。
 
自発的ではないけれど、トイレも、促してもらって、行っておくことができた。外出時では、したいときに出来ない時もあるので、適当なところで、行っておくということをわかって欲しいと思い、わりと時間や場所を決めてさせることが多い。
 
食事後は、大好きな恐竜のところへ行き、じっくり眺めたり、パチリパチリとシャッターをきったりする。
ボラさん達を呼び寄せ「ボラ赤さんは、ココ。ボラ青さんは、ココ。ボラ緑さんは、ココ。」と自分で決めた立ち位置につかせると、記念撮影までしてくれた。
 
はじめは、ボラさん達にむいていたレンズが、どんどんと恐竜の方移動していってパチリ!どんな写真になっていることやら…。
頭だけかもしれないけど、必ず焼き増しするからね。
でも、そこは、社会見学の時に、障担がダダを立たせて撮ってくださった場所とまったく同じ。そこまで再現するかぁ?
 
「恐竜にさわってもいいですか?」とたずねるので、「それはダメです」と注意すると、少し不機嫌。このときだけ、ちょっとトラブル。
 
しばらく、写真を撮ったり、走り回ったりすると、「早くおうちへ帰りましょう」おいおい、自分の気が済んだら、後はどうでもいいんかい!
 
「さる、犬、キジ」の…いや「三人官女」のボラさんは、初めて人と自然の博物館を訪れたという人ばかり。
レストランと恐竜しか見られなくて、ごめんなさい。他にもおもしろい展示がいっぱいあるんですよ。
 
今度はゆっくり…。ぜひ、どなたかと、お二人で…。
 
続く…。出るには出たが、帰れない…。
 
 みなさま、ダダ母です。

 某所での連載中、あまりに連日の長文の書き込みのために、安モンの椅子に座り続けていたら、腰をやられてしまいました。
 その週は、参観日があったのですが、立っているのがやっと。その後の人権講演会は、パスして、整骨に行くはめになりました。

 そこまでして、書かなアカンことなのか???でも、ココで止めると顰蹙もの???と、迷い〜道く〜ねくね〜。

では、気を取り直して、復路スタート!

【ダダのひとり旅日記・その6】

10月14日(土)引き続き晴
 
予定より、30分以上も早く、博物館を後にすることになった。
博物館の外に出ると、なぜか月光仮面のおじさんがいた。歩きながら、おじさんの手を取ろうとするダダ。不安がでましたかな?
でも、「ひとり旅です。」と言ってもらうと、スッと手を離す。そうだ!あくまでもひとり旅なのだ。
こういうとき、そばにいる人の的確な判断はありがたい。
 
道路を渡るとき、車が来たので、止まって待つことが出来た。
けれども遙か彼方に、もう一台豆粒みたいに車が見えると、やっぱり金縛り状態。「大丈夫です。」の声かけで、急いで渡ったけど、将来的にみても、ダダにとってこれは難題か?
 
晴天の中、ダダと、4人の大人がフラフラとフラワータウン駅に向かう。まるで大名行列ですな。
駅に着くと、ダダの目的は、ただ一つ、切符を買うこと。これは社会見学の時に、一度経験があるので、絶対の自信がある。
時間がかなりあったので、なんとかやり過ごせないものかと、ボラさん達が引き留めたけれど、そんなこと耳には入らない。
サイフから150円を取りだし、目指すは券売機!
きっとお金の投入口しか、目に入ってないんだろうなあ…と感じさせる様相で、券売機の前に立つと、なんとその時「発売中止」のサインが出てしまった。(それでも、お金を入れたの?かどうかわからないけど)お金を手にして、大変とまどうダダ。
『なんでや〜。こうすれば切符が買えるはずやないかあ???』それでも、月光仮面さんに「発売中止」の文字を見せてもらい、まあ納得して、隣の券売機へ…。スッと聞きいれてくれて、よかった。
 
切符を買う前か後か定かではないが、自動販売機でジュースを買ったらしい。ダダは、もちろん「コーラ」。定番だ。
自分が買った後、まだゴソゴソとサイフからお金を出す。
ボラ青さんに向かって、「ボラさんは?」と聞く。ボラ青さんは、てっきり自分も買えと言われているのかと「十六茶」を買ってしまった。
するとダダは、とても悲しそうな顔になった。
あれれ!と思っていると、こいつはアカンと感じたダダが、ボラ赤さんに方向を変え、再び「ボラさんは?」。
おー!オゴッタロ!ということか…。スゴイ!と感激するもつかの間、「ファンタグレープ!」と言いながらボタンを押してしまう。
おいおい、なにがいいんか聞かんのかい???人の好みも勝手に決める結構強引なおごり方…。
ボラ緑さんにも、何か(ダダの)お好みのものを…と120円用意する。けれども投入口から入れたお金で、10円玉だけが戻ってきた。
しっかり判別できない、不良品ってこと?
こんな時、私たちは違う10円玉を入れ直したりするんだけど、ダダの場合、そういうことに気が付かない。その後どうしたのかわからない(もう一度入れたの?)けれど、ダダはその10円玉を手のひらに乗せ、ジーッと眺めて、その辺をウロウロし始める。完全に動揺している証拠。
 
券売機にしても、自動販売機にしても、ダダの予定どおりには行かないハプニングがあって、そういうとき、どうしていいのかわからない状態に陥ってしまう。ボラさんがいなければ、途方に暮れて、機械を叩いたいちゃうか、泣いちゃうか…パニックになってしまっただろう。
大きくなって、もし1人で出かけるということになっても、思いがけない時、「とっさの判断が出来る」ということは難しくても「助けを求めることが出来る」ということが必要だなと痛感した。
でも、今回「発売中止」「謎の10円玉」の経験が出来て、果たして、今度そういう場面に遭遇したときに、どんな反応があるのか?これは楽しみなところ。
 
帰りのJR切符も社会見学の時は団体だったので、買ってないはずだけれど、行きのモヨリ駅と同じことだから、帰りの三田では「○○円入れます」の声かけで、自然に自分だけでできた。スゴーイ!
でも、ホントは、声かけじゃなくて、無言でファイルを見せてもらえて出来たら、最高なんだけどね。
 
帰りの電車を待つときは、ベンチが開いていない時は、ホームに座り込む。私はぜんぜん気にならない方だから、いつも一緒にへたり込んでいるので、ダダもそうすると思う。大きくなるにつれ、止めないといけない習慣かなあ?
 
電車では、行きのテンションはどこへやら、「座ります」でボラさんと椅子に座る。電車からの風景を見ながら、モヨリ駅へ。
 
ボラ青さんから「○時の三田発に乗ります。」と電話があったの時、はっきり言って、私は寝ていた。
夢うつつで「えっ、もう帰ってくるの?」
ダダの留守中したことといえば、遅めの朝食を食べて、洗濯物を干して、兄貴と「ダダがいないなんて珍しいよなあ…」と言いながら、ポケモンカードゲームに付き合って、兄貴をサッカーに送っていって、ヤレヤレとおもい、布団に入っただけだ。
なんともったいない時間の過ごし方だろう。
あれだけ用意して、結局これだけかー!と、少し悲しい…。
 
ワゴンRで、迎えに行くと、元気なダダと、少し疲れたボラさん3人が、階段から下りてきた。
なんでか三たび、月光仮面も姿をあらわす。いったいあの人は何もの?ダダだけが、ワゴンRに乗り込み、その後は、大人の雑談会。
井戸端会議の長さに、イライラしたダダが、車の中から「おかあさ〜ん」と呼ぶ。
そこで、ボラ赤さんと、ボラ緑さんとはさよなら。月光仮面おじさんは、これから違う街へ事件解決に行くと、颯爽と姿を消した。
 
ボラ青さんとともに、家まで戻ると、さっそく今凝っているTVゲームに没頭するダダ。
私たちが、お話をしている間、何事もなかったかのように、「ひとり旅」については、何もいわない。ここだけ切り取れば、普通の日常だ。
 
歯磨きをするンかな?と思ったけれど、これはいつものように、夜にするということだった。要するに、「歯磨きするよ」は「・・・そういう1日を送るよ」という意味なのだ。
 
サッカーから帰ってきた兄貴が、ダダに「どうやった?」と聞くので、それでやっと、私からも、ひとり旅のことを聞いてみた。
ダダは、「ひとり旅、行きました。フラワータウンが爆発したよ。爆弾おいてきました」。
お前は、テロリストかあー!
でも、ダダの顔は、大満足。自分の作りだしたファンタジーを、人と自然の博物館行きを再現することで、果たしてきたゾ!という感じ。
私は、かなり右往左往したけど、無事約束を守れて、任務完了。
きっと、ダダにとって、達成感は充分あっただろうし、自信に繋がったことだと思う。
 
さて「ひとり旅」が終わった・・・・が、最後の詰めが残っている。
感想文とダダの撮った写真だ(うふふ…出来上がってきたよ!)。
 
それについては、その7へ(まだやるつもりかい???)。
 
続く…。早よ、終われ!と言う声が、厚顔無恥なワタシのこの耳にもさすがに届いてきています…。
 
 ダダ母です。いよいよ最終回です。

【ダダのひとり旅日記・その7】

10月15日(日)曇
 
ひとり旅より一夜明けて、今日は、美容院へ散髪に行く。
ひとり旅のことが、はっきり決めてあげられない時に、「土曜日、散髪に行こうか?」と促すと、「土曜日、三田へ行きます。日曜日、散髪に行きます。」と言い返されてしまった。
うまくお茶を濁そうと思ったけど、ダダには通じないよな。
散髪は、2回目のチャレンジだったが、初回時作った「散髪に行きます」シートを渡しておくだけで、私が、「女性自身」を読んでいる間に、あっさり出来た。
「今日のダダくんはスゴイ!何をされるのか、いつまで我慢したら終わるのかが、わかるとこうも違うものなんですね!」と興奮気味に、美容師さん。
『あなたも、TEACCHを学べます。』
 
10月16日(月)晴
 
ワークシステムの机での学習の時、ひとり旅の感想文を書いた。
前回の作文と同じように、自分からどんどん書き進んでいく。
でも、行きたい気持ちいっぱいだったときに比べて、やはり感想だし、こちらには、よくわからないダダ表現満載になってしまった。
障担が、意味不明のところを「書き直しますか?」とたずねると、ダダが「消しません」だったので、細かいところは気にせず、1人で書くということを尊重して下さった。
 
「ひとりたび」という題で書かれた作文の一行目は、
「レストランいったときに、カレーとアイスをたべました。」確かに、確かに…。。
そして、「エノケンはでんわみみをしたよ。」とある。
ボラさんが、携帯で、ウチへ連絡を入れてくれたことを、しっかり見てた訳だけれど、やっぱり、ボラ青さんは、エノケンだったのね???
(ちなみに、エノケンは可愛い犬?のキャラクター>ボラ青さん)
中頃には、「フラワータウンがばくはつしたときにホネホネがこわれる」と書いてあり、続いて「ばくはつしたときににげます。」
やはり、自分のファンタジーをダダなりに実現してきたらしい。
ダダの気持ちが十分伝わってくる。
でも、最後は、「カメンファイアー2をみにいく。」何?なにそれ?
「こうべにいきます。」
たすけてくれぇぇぇ!!!・・・・・・当分、結構です!
 
10月17日(火)晴
 
ダダの撮った写真が出来上がってきた。
まず一番最初に心配していた、ボラさんの集合写真を見てみると、ちゃんと撮れていた。
ボラさん達、恐竜、どちらもバッチリおさまっている。見事なアングル!
それにしても、ボラさん達の顔は、きっと他の殿方にはけして見せないと思われるぐらいリラックス?した顔。8歳児だと思って油断したな!
 
たくさんあるのは、やはり恐竜の骨の写真だが、足だけ、お尻から、見上げた顔、肋骨…。不思議なアングルが多い。
絵を描くときもそうだけれど、ダダは、全体をうまくおさめるという意識がないので、私のような凡人からすると、撮った写真がとても芸術的に見える。要するに、急に切れている。
 
恐竜の他ではジオラマや、解説の世界地図にまじって、スチールのゴミ箱、観葉植物の植木鉢、手すり、換気口、廊下の並んだ扉、床…などの写真があった。
一見脈絡のないように見えるが、良く見てみると共通することがある。それは「光っている」ということ。
以前から(幼児期から)、ダダの興味の中に、「キラキラ光る」ということがあるとはわかっていたが、これほど見事にカメラの対象になるとは…、ちょっと驚きである。
ダダのお気に入りの「キラキラしたもの」は、本来の展示物の恐竜やジオラマと何ら変わりのない価値のあるものなのだろう。
 
出発時、カメラを持たした理由は、ダダがどんなものを撮るのか興味があったこともあるけど、それより、電車やバスに乗るわけだから、大好きな電車写真を撮るのも、楽しみになるだろうと思ったからだ。
でも、出来上がってきた写真の中には、電車の写真も、バスの写真も一枚もない。フイルムを余らせて帰ってきたのだから、ダダが自分で考えて、撮ってきていないということがわかる。
あんなに電車写真を撮るのが好きなのに…。
きっと、今回は、「三田・フラワータウンの人と自然の博物館の旅」とダダの中で、決められているのだろう。
驚いたけれど、ダダは、そういう風に自分で決めたことを、頑なに守る人なんだ。
私たちのように、雰囲気によって流されたりしない、凛とした人なんだ。
なんだか、めちゃくちゃ感動した。尊敬しちゃうよ、まったく!
ダダの写真は、見ようによっては、素晴らしい作品の数々。
 
脱帽です。
 
 これで、ダダのひとり旅日記は終わりです。

 今回はダダからのアプローチが、明確で、強烈だったことと、それが正当に思われましたので、急に無理を言って、ボラさんをお願いするということをしました。
 普段から、こういうことをしているわけではありませんし、これからもそうあることではないでしょう。ボラさん付きとはいえ「ひとり旅」をするには、まだ、早い年齢だと思います。

 ただ、将来レスパイトを受けたり、1人で出かけたり、家族以外の人と過ごすことが出来るようにと、幼児期から託児に預けたり、親せきの人に任せたりを意識的にしてきましたので、それが、早い段階で、願う方向へと向いていったことに、とてもうれしさを感じています。

 今回の「ひとり旅」での驚きは、家族や先生以外の人と過ごすことで、ダダの意外な側面をたくさん知ることが出来たということです。。
 普段そばにいない人と、「やりとりができる」それがホントに素晴らしいことだと思いました。
 でも、それはたぶん、学校で取り組んできた社会見学旅行が下地にあって、その上に綿密な計画がダダの中にしっかり立っていて、そして、ボランティアさんによる、わかりやすい視覚的な援助があって…というような、いうならば『構造化が十分された旅』だったからこそ、そういう「やりとり」が、安心して出来たのだろうと思っています。
 「わかっている自信」…それが、ダダを人を気遣うという行為まで持っていったのだと考えています。

 この旅行を全体的に見てみると、まるで、私自身が言葉のわからない外国で旅をしているのと同じだな…と思いました。
 出入口のこと、券売機のこと、自動販売機のこと、レストランでも注文のこと…。
 外国で、同じ状況に遭遇したら、私も、まったく同じ行動をとったでしょう。

 自閉症の追体験を、「海外で過ごすこと」によく喩えられるますが、これを、しみじみ実感しました。  

 ダダの感じ方、考え方、少しはわかってきていると思っていた私でしたが、今回の旅で、再確認したこと、発見したこと、たいへん多かったです。すごい収穫でした。

 最後に、社会見学旅行の準備や指導をしてくださり(これがうまくいってなければ、ありえなかったわけです)、作文で想いを引き出したり、気持ちを盛り上げたり、早急に写真を準備して下さった学校の先生方に…。

 そして、ボラ青さん@エノケンのボンレスハムさん。じんましんで困ったボラ赤さん、そのいとこのボラ緑さん。

 神出鬼没の月光仮面のおじさんこと、syunさん。

 その他大勢の、巻き込んでしまったみなさまに、御礼を言いまして、このお話を終わらせていただきたいと思います。

 「ほんまに、おおきに!でした。」

 ながらくのご静聴(読)ありがとうございました。

やっと済んだ…ホッ…

 ダダのひとり旅日記  ダダ母 
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